細く長い指がちらつかせる小さな紙の正体をあたしは一瞬で見抜いた。
ハートに
火
をつけろ!
「ラブレター、ですか」
「今朝ドアの隙間に落ちてたんだ」
「そんなに見せびらかして…クリスが怒るよ?」
「クリス?あぁ、別れたよ」
危うく手にしていた教科書を落とすところだった。
「別れたって…告られたのはまだ昨日のことでしょ?」
「そーだっけー?」
「あんたそんなに女引っ掻き回して…いつかバチが当たるよ?」
「ま、いーんだって。放っておけば寄ってくるんだし」
何なんだこいつは!!どこぞの国の王様か!?(シリウス帝国!)高慢チキ!寄ってくる女も女だけど!(甘い蜜に吸い寄せられたカブトムシと何ら変わりはないじゃない!)
「でもジェームズみたいなのはなかなかいねぇわ」
「は?あんたそういう趣味あったの?」
「じゃなくて。俺、女に振り回されてみたいんだよね」
狂った…!あんたみたいな王様を振り回せるプリンセスなんてこの世界中探して見つかると思うのかい??確かに女版ジェームズなら不可能じゃなさそうだけれど。
「会いたいって言われたら授業中だろうが、クディッチの試合中だろうがノンレム睡眠に入っていようが何だろうが会いに行きたくなる…そんな感じでさぁ…」
先生。大変です。シリウス・ブラック君の頭の中がバラ色になっています。…今頃純情ぶっても遅いぞ、少年!!
「彼女は冷たくていいの?あーしろこーしろとか(王女だ…)」
「別に?その気にさせるから」
シリウスは一種のゲームだな、とニタリと笑った。(うわぁ!寒気がする!)
「つーか何では男持ちなの?俺、お前になら振り回されてもいいんだけど」
「そう?あたしは人使い荒いわよ。耐え切れなくなるんじゃない?」
別れろ、という脅迫なのか本気で告ったかは知らないけれど、妙に意識するようになったのは間違いなくその一言だった。(結局あたしも振り回されてる)
20050316
タイトルはラルクの曲から。
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