が猫を拾ってきた。


「母親がいないみたいなんです」



こういう展開の先なんぞもう見えている。


「土方さん」
「飼うわけねぇだろ」
「……」




少しきつく言い過ぎたか。でも仕方ない。猫と人間は違う。命を預かることの重さをガキのお前じゃわかんねぇよ。




「でも放っておいたら…」
「元の場所へ戻して来い」
「でもこの子は独りで…」
「でもじゃねぇよ!」



「でも近藤さんはいいって笑って言ってくれました!!」

















どうも近藤さんはに弱い。ホの字なのか?そんなやすやすと認めるなよ。






そう考えていたのはつい三日前だったはずだ。





























「山崎、は」
「ずっとタマから離れません…」





タマかよ!というつっこみは心の中でしておいた。今はが心配だ。雨の臭いがする。夕立になるか。










「おい」
「……」




隊員に親しまれている笑顔は消え、ただ無表情に猫の墓を見つめていた。










「えへへ…やっぱり土方さんが正しかったです。土方さんの言うとおり、戻していれば、そうすればこんなに悲しむこともなかった」






震える声が辺りに響いた。痛々しい笑顔なんて見てられない。歩み寄ってきつくの肩を抱く。一瞬、強張った。













「タマは死ぬ前にお前といれて幸せだっただろうよ。…あの場でお前に拾われて、幸せだったはずだ」





気の利いた言葉など見つからない。だから精一杯抱きしめる。 一丁前に強がって涙を堪えるところはまだまだガキだな、と思った。






「とりあえず泣いとけ」






むせび泣く声を胸に聞きながら、猫の墓をの肩越しにじっと見ていた。

















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初土方。微妙だなぁ…



20041220





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