夕方になるにつれ、もうすぐに会えると思うと嬉しくなる気持ちはあった。どこざの王子のめんどくせー警護の後に更にめんどくせー事が起こるなんてよ、誰が想像した?
「た、大変です副長!」
「あァ?何だ山崎。十字以内に述べろ」
「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないですよ!さんが部屋からいなくなったって女中から連絡が…」
「何だと!?探せ山崎!そう遠くへは行けないはずだ!総悟、てめェもだ!」
「へい」
暗中模索したって見つかるわけがない。こんなまだ寒い夜に、また血ィ吐いて倒れてるんじゃないだろうか。ヤベェ、体が震えてやがる。汗だくになって市中を走っていると総悟と肩を並べて歩くに出会った。
「近くの公園で見つけやした」
「悪ィな」
擦れ違い間際、大事なモンはしっかりと握ってろィといつもの調子で言われた。返す言葉もねェ。俺に怒鳴られると思ったのか下を向いたままのそいつになるべく落ち着いた声で言う。
「…何で勝手に部屋を出た」
「…ごめんなさい」
「怒ったりしねェよ、理由を言え」
星が、見たかったのよ
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