文はやりたし書く手は持たぬ






男に振られました。





むこうの方からなはははははは！って笑いながらやってくる恋次が見える。分厚いこの辞書の角で殴って差し上げましょうか？それとも三枚卸にして朽木家の今晩のおかずになります？（レンジで３分クッキングー！）（あぁ、ダメだわ。隊長がお腹を壊してしまう）






「ドンマイドンマイ！残念賞！」
「うるさいわアホ恋次！！」
「アホはお前だろーが！どっからどう見たってイヅルは雛森のことが」
「ほんっとうるさいな！！！どっか行け！あんぽんたん恋次！！」
「（あんぽんたん！？）」





知ってたよ。イヅル君が見てた子なんて。でもあたしは桃ちゃんの好きな相手も知ってた。何度イヅル君、そんな叶わない相手はやめなよって思ったことか。その願いは届かなかったけれど。





「ちょっと、今晩付き合いなさいよ」
「（さっきどっか行けって言ったじゃん）ヤだね！俺金ねぇしグチも聞きたくねぇしイヅルの先客入ってるしー！」





きっとあれなんだ！！今日君のとこのさんに告られてさー、やんなっちゃうぜー、もちろん振ったけどさー。なんていう会話をするんだ！！それに対してこいつはあんな奴やめて正解だぜ！雛森にアタックしろよ！なんてフォローを入れるんだ！！机に突っ伏してたら隊長と目があった。（俺は知らねぇとばかりに恋次は逃げ出す）





「（いいいいいい今の話聞かれてたよね！！？？）」



「、手が進まぬのなら帰っていいぞ」
「（あたしって役立たず…！！）」





悲しい、悲しすぎるよ、さん。男には振られ男にはけなされ男には役立たずと言われ（言われてはない）男には縁が無いのだ。机の片づけをしていたら隊長も同じことをしていた。





「あれ、隊長も帰られるんですか？」
「酒ぐらいなら奢ってやってもいい」





……隊長は知っててやってるんですか？
女は傷ついてるときに優しくされるとコロッといっちゃうんですよ。そして期待してしまう。もしかして隊長もそんな奴はやめておけ、と言いたいんですかって。…そんな訳ないのに





「初めに言っておきますけど、今夜は家に返しませんよ」

















（私も返すつもりは無い、と答えて欲しいね笑　　20050615）

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