僕ら夏の日





またこの季節がやってきた。隣で弓親が暑苦しい!僕の美しいヘアースタイルが崩れてしまうじゃないか!とか叫んでいる。しかしこれぐらいの暑さなら、極度の寒がりなあたしにしてみればどうってことない。けれど、こんなに眩しい太陽は嫌いだ。



「暑い……」
「こうも毎日暑いと参るよな…」
「ね、一角。西瓜食べない?隊長の部屋にあったんだけど」
「マジかよ!ズリィなあの人!一人でこんな暑い日に瑞々しい甘い赤い西瓜を俺たちに内緒で涼みながら食うなんて…!」
「ねー、顔に似合わないっていうか」


「誰が顔に似合わないだって?」



、今すぐタライに入れて冷やせ!」
「ええっ!あたしっすか!?弓親やってよ」
「なんで僕が、
「やりなさい。」




タライの中にプカプカと浮かぶ西瓜を見ながら、あたしはもう一つのタライに張ったの中で足をばしゃばしゃさせる。あぁ、ここから見える景色や感じる匂い、音。どれを取ってもあの頃とは違うというのに。あたしは一人、何をしているんだろう。やっぱりこの季節の太陽は嫌いだ。あたしには眩しすぎる。思い出だけが煌いて。



跳ねた水滴が光を受けてプリズムみたいに輝き、落下する























あの日もあたしはを張ったタライの中に足をつっこんでばしゃばしゃしていた。




サン、その格好は女の子がするもんじゃないっスよ」
「浦原隊長、何でこんなところに…ってそのシミ、もしかしてあたしの蹴ったがかかっちゃいましたか…!?」
「いえいえ。すぐに乾きますから心配無用。…それより早く袴を直して下サイ。肌蹴てマス」
「いいですよ、別に。あたしごときに欲情する男なんていませんから」
「いるじゃないですか。目の前に」
「相当な変わり者ですね」


太陽の光が肌に突き刺さるぐらい本当に眩しい日だった。いきなり影ができて、変だなと思った。は雲一つないというのに。それから唇に優しく何かが触れてやっとわかった。


「そうだ。冷えた西瓜があるんです。よかったらどうですか?」
「いいっスね。夏らしくて」

「ん〜…甘い!」
「昔、種飛ばしとかやりませんでした?」
「あ〜やりました!」
「アタシ結構上手いんスよ」



そう言ってプププと種を飛ばす隊長。い空をい粒が横切った。


「あたしも負けませんよ!」
「うわ!サンやりますね!」
















夏が来るたびに思う。結局のところ、あたしは何がしたいんだろう何に悩んでいるんだろう何を迷ってるんだろう。たまに思い出すと急に恋しくなって。彼宛に書いた手紙の返事も、返ってこない。本当はものすごく怒ってるしものすごく不安で泣きそうなんだけど、あなたの前じゃあたしは笑顔でしかいられないって目に見えてるんだ。それでもこの青空が貴方の見上げると繋がっていますように。











「おい、」
「何ですか?隊長」
花火やるぞ」
「まだ明るいですけど」
「夜になったらに決まってんだろうが!」
「はーい!」


































20040729→20050802 去年の企画「夏恋」の6話目手直し。剣八さんは二人のことを知っていて気を紛らわしてあげようというか新しい思い出をつくってあげようかな、なんて思ってるんです。色により目がチカチカしてすみません






















  
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