「阿散井副隊長、好きです」
あのひあのとき
紅葉が深まり、センチメンタルな気分になる秋がやってきた。あたしの勝手な想像だが、春は赤い実がはじける頃で秋は枯れゆく時期だと思う。
「あーあ、女の子泣かしちゃって」
「気にしてること言うなよ」
阿散井は後輩の可愛い子ちゃんに告られた。しかし丁寧に断った。
「他に好きな奴がいるからとかベタな振り方するからだよ」
「だって…」
「どーせ好きな人がいるなんて嘘ですよね!?とか言われたんじゃないの?」
「……」
図星かよ。阿散井は顔に出やすい。
「今までそんな素振りしてなかってもんね。そりゃ嘘ってばれて当然…」
「それは相手のせいだ」
思いもよらない返答にあたしは一瞬黙ってしまった。
「(本当にいるんだ…?)へー、そのこのせいにして逃げ道をつくるんだ」
「いい加減にしろ」
相手のことを馬鹿にしたのが気に触れたのかその鋭い目で睨みつけられた。
「ごめ」
「お前のせいなんだよ!」
「お前がそうやって普通に話しかけてくるから進めねぇんだって」
本日二度目の沈黙。
「返事ぐらいしろよ」
「ええっ…」
阿散井の頬がほんのり赤い。あたしはほんのりどころかタコ星人だろう。
「は、はい。お願いします」
秋は果実が実る頃。
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ステップアップ〜♪
20041005
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