「うーんいい天気!」
空は実に爽快に晴れ渡っていて、ジェームズはホグズミート日和だ!とキラキラ笑って楽しそうだった。(キラキラは太陽のお陰かな)
「わたしバタービール飲みたい」
「そうだね!行こう!今すぐ飲みに行こう!」
リリーのこととなるとジェームズは二割増し行動が早くなる。せかせかと歩く彼の後ろにリリー、リーマス、ピーター、シリウス、あたしとぞろぞろとついていった。まるで蟻の行列みたい。
A wonderful thing
ホグズミートはいつもどおり多くの人で賑わっていてちょっと看板に目をやれば、みんなとはぐれてしまいそうだった。いや、でも大丈夫。あたしがちゃんとついてきているかシリウスは度々振り向いて確認してくれているから。
「遅いぞ、短足」
「うるさいよ、無駄に長い人」
少し駆け足でシリウスの隣へ移動して、ローブの端をきゅっと掴んだ。
「何、これは」
「え、だってこうしないとあたしもみくちゃになっちゃうし」
「あほ。手繋げばいいじゃん」
人前でこうすることは嫌かなぁと思って控えてたのに。(言ってよかったのか!)(迷ってた自分がバカらしい!)ちらっと前を見るとジェームズ達はあたし達よりも先に手を繋いでいた。けれど、彼の一歩がリリーの半歩で傍から見るとリリーが引っ張られてる感じだった。(ずるずると)
それと比較しちゃいけないけど、あたしの一歩はシリウスの一歩にもなっていて、ちょっとだけ幸せな気分になった。ふふふ、と笑ったら 気持悪ぃ と言われてしまった。
「シリウスはいいパパになるよ」
「は?何だよいきなり」
「ちっちゃい子ってよくママの後ろをついていくでしょ?それをママは振り返って見てくれてる。歩数だって子供に合わせて。しかしパパときたら!ズンズン先に行っちゃって、寂しいものよ」
「ふーん…じゃあこの間にいれればいいじゃん」
この間といったシリウスの視線を辿るとそこにはあたしたちの繋がれた手しかない。彼はにっと笑ってる。
「子作りしましょうか」
「は!?」
「え?欲しくないの?」
「い、いつかね」
「まぁ近い未来に」
「……」
遠くのほうでシリウスー!ー!と仲間の呼ぶ声がした。あたし達は笑い合って駆け出した。
(シリウスのこどもになりたい!20050125)
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