せ な か
朝。彼はまだ夢見心地な重たい体を起こしてあたしを見る。その背中には痛そうな傷跡。
「おはよう、」
おはよう、修兵。軽くご飯を食べて着替えたら一日の始まりだ。
九番隊詰所。修兵の仕事が終わるまでの半日をあたしはここの温厚な隊長と遊んで過ごす。
「それじゃ、任務行って来ます」
「あぁ、気をつけて」
えぇ?もう行っちゃうの?寂しいよ…
「、そんな目すんなって。早めに終わらせてくるから」
良い子にして待ってろ。そう言うと急に仕事の顔になって詰所を出て行った。
あぁ…暇だなぁ… ねぇねぇ、隊長、何してるの?
「これかい?藍染隊長に手紙を書いてるんだよ」
隊長、字がとても綺麗。
「そうだ。コレを藍染隊長まで届けてくれるかい?」
いいですよ。わーーい!仕事だ!
「じゃあ頼んだよ」
九番隊から五番隊は遠い。だから屋根を飛び越えていくんだ。
そのほうが歩くより断然速い。
コン コン
「どうぞ…ん?君は確か檜佐木君の…わざわざ遠いところをすまないね。ありがとう」
いえいえ。藍染隊長のその笑顔さえあれば何千里でも走れそうです…!
「そういえば中庭で檜佐木君を見かけたよ。阿散井君と話し込んでるようだったけど」
修兵が!?ありがとう、藍染隊長!!
「また郵便頼むね」
仕事中に修兵に会うことはダメって言われてる。でも我慢できないよ!!
赤髪の変マユがあたしに気づいた。
「ん?何だお前」
「付いてきちゃダメっつたろ??」
違うの違うの!今日は隊長のお手伝いしてただけ。
「お前知ってんの?コイツ」
「んー?俺の恋人」
「……は?恋人ってお前もしかしてコイツの名前…」
「」
「お前、病んでるだろ?」
「そうだな。コイツ以外、俺には見えてねぇよ」
変マユは呆れた、という顔をしてあたしを見下ろした。
その態度に腹が立ったから ニャー と嘲笑ってやった。
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20040827
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