たとえばこんな愛し方
やってしまった。
クィディッチの練習中余所見をしていて箒からひゅーどーん!足を捻挫。片足でてってっとフラミンゴのように微妙なバランスをとって歩くあたしの元へリーマス(余所見の原因)が寄ってきたかと思えばくるりと背中を向けたまま黙った。
「…何?」
「早く乗って」
「…ええええぇぇぇえ!?」
乗ってって言われても…いやいや!どう考えたってリーマスの背中しかない。恋人以上友達未満(あれ?友達以上恋人未満?)でも何でもないのに体の接触なんてあたし、恥ずかしすぎて死にます。(恥死)思ったとおりジェームズとシリウスはニヤニヤしてる。
「乗らないの?一人で部屋まで帰れるんだ。ふーん。頑張って」
「(意地が悪いよこの人…!)(それを承知で好きなんだけどさ!)」
強制的だったけれど渋々その肩に掴まって間もなく視線の位置が高くなる。わお!これがリーマスからみた世界。ジェームズとシリウスのにやけた顔が同じ高さにある。どうして神はイブをアダムより小さく創ったのか。相変わらず冷やかす二人にべーっと舌を出してやった。(我ながら見事な不細工顔だったに違いない)
「(リーマスの背中って暖かくて眠っちゃいそう…)」
「こらこら。そんなにくっつきたいんだ?って大胆だね」
振り向いて競技場を見るとチーム全員の目があたしたちに向けられていた。「れ、練習しなさいよ!」とあたしは慌てて叫ぶ。意地悪を言うリーマスの背中をドンと叩いて、広いそこに湯気が出そうな顔を埋めた。
(いじわるなリーさんすき 20050325)
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